「SNSが集客に重要とは聞くけれど、何から手をつければよいかわからない」
「限られた予算と人員で、本当に成果は出るのだろうか?」
このような疑問を抱える中小人材紹介会社の経営者や担当者の方は少なくありません。
従来の集客手法だけでは、求める人材や企業に出会うのが難しくなってきています。
そんな中、SNSは少ないコストで求職者や企業クライアントと信頼関係を築ける強力な手段です。
本記事では、人材紹介会社がSNS集客で成果を出すための方法や、最適なSNSの選び方、運用テクニック、効果測定の方法などを解説します。
人材紹介ビジネスでSNSを活用した集客を検討している方は、ぜひ最後までご覧ください。
1. 人材紹介会社がSNS集客に取り組むべき2つの理由

人材紹介業界では、求職者や企業との接点が限られる中で、SNSを使った集客が効果を発揮する場面が増えています。
なぜSNSがいま注目されているのか、その理由を2つの観点から解説します。
1-1. 従来の集客手法だけではアプローチできない層にリーチできるから
SNSを活用するメリットは、求人広告や転職サイトでは届きにくい潜在層にリーチできることです。
求人広告や転職サイトでつながれるのは、今すぐ転職を考えている顕在層が中心です。
一方で、「よい会社があれば転職したい」と考えている潜在層は、求人媒体には頻繁にアクセスせず、日常的に利用しているSNSで情報収集をしています。
人材紹介会社のアカウントが「履歴書の書き方」や「最新の転職市場動向」といった実用的な情報を発信していれば、潜在層からの閲覧やフォローにつながりやすくなります。
さらに、コンサルタントの考え方やサポート姿勢を紹介する投稿を重ねることで、「この担当者に相談してみたい」と感じてもらうきっかけをつくれるでしょう。
このように、SNSは従来の媒体では接点を持ちにくい層との関係を築き、将来的な転職相談や成約につなげる手段として有効です。
1-2. 低コストで信頼関係を構築でき、他社との差別化にもなるから
人材紹介会社がSNSを活用すべきもう一つの理由は、集客コストを抑えながら信頼関係を築ける点にあります。
従来の集客手法では、求人媒体への掲載や広告出稿に数十万円単位の費用がかかることも少なくありませんでした。
しかも、掲載期間が終われば情報は消え、長期的な効果は期待しづらいのが現実です。
一方、SNSは基本的に無料でアカウントを開設でき、投稿や運用も自社で完結できるため、外注や広告に比べて圧倒的に低コストです。
情報を継続的に発信することで、自社の考え方や担当者の姿勢が可視化され、求職者や企業からの信頼にもつながります。
例えば、業界動向に関する解説や、日々の支援で得た知見を発信していれば、「この会社はしっかり情報を持っている」「信頼できそうだ」と感じてもらうきっかけになります。
こうした印象の積み重ねが競合との違いになり、相談や問い合わせへとつながるのです。
限られた予算で成果を出す必要がある中小企業にとって、SNSは広告に頼らず成果を上げられる、効率のよい集客手段といえるでしょう。
2. 人材紹介会社が自社に最適なSNSを選ぶ3つの基準

SNSで集客効果を上げるには、自社に合ったSNSを選ぶことが重要です。
自社のターゲットや発信内容、運用リソースを踏まえてSNSを選定することで、集客を効率的に進められるでしょう。
ここでは、プラットフォーム選びでおさえるべき3つの基準をご紹介します。
2-1. ターゲットが集まっているか
SNS選びでまず確認すべきは、SNSのユーザー層が自社のターゲット層と一致しているかどうかです。
いくら運用に力を入れても、見てもらいたい相手がいなければ成果にはつながりません。
例えば、20〜30代の若年層を対象にしているなら、InstagramやX(旧Twitter)など、日常的に使われているSNSが効果的です。
一方、30代以上のビジネスパーソンや企業の担当者が主なターゲットであれば、FacebookやLinkedInの方が適しているでしょう。
特に法人向けの集客を重視する場合、信頼性や実名制が求められるため、カジュアルすぎる媒体では期待した成果を得にくい可能性もあります。
ターゲットの属性や情報収集行動を明確に把握したうえで、SNSを絞り込むことが大切です。
2-2. 発信する情報と媒体の相性がよいか
どのSNSに取り組むかを判断するうえで、発信したい情報とそのSNSの特性が合っているかも重要です。
例えば、写真や短い動画で企業の雰囲気や社内の様子を伝えたいなら、Instagramが適しています。
画像中心の構成で、視覚的な訴求力を活かせるため、カルチャー発信や社員紹介との相性がよい媒体です。
一方で、専門的な知識や業界トレンドなどをテキスト中心で発信するのであれば、XやLinkedInの方がユーザーとの親和性が高く、反応を得やすくなります。
仮に内容と形式が合っていないSNSで運用を始めると、更新をどれだけ続けても効果は上がりません。
発信したいコンテンツの形式やトーンを整理し、それに最も適したSNSを選ぶことが、無駄のない集客につながります。
2-3. 自社のリソースや体制に合っているか
SNSの特性やターゲットだけでなく、自社の運用体制や文化にマッチするかどうかもポイントです。
例えば、短文や日常的な情報発信が得意な会社であればX(旧Twitter)が適していますが、毎日の更新が難しい場合には、週1〜2回の動画投稿でも効果を発揮できるYouTubeの方が現実的です。
また、文章を書けるスタッフがいるか、写真や動画を撮影・編集できる担当者がいるか、社員が顔出しに対応できるかといった点も実務上の大きな要素になります。
SNS運用は一度で成果が出るものではなく、継続して積み重ねることで効果が表れます。
無理なく続けられる体制を前提に、自社にとって実行可能な選択をすることが成功への近道です。
3. 人材紹介会社の集客に最適な5つのSNS

SNSと一口にいっても、どれを選べばよいか迷ってしまうかもしれません。
ここでは、人材紹介会社と特に相性がよい5つのSNSを解説します。
3-1. X(旧Twitter)
X(旧Twitter)は、リアルタイム性の高い情報発信と、圧倒的な拡散力が特徴です。
月間アクティブユーザーは約6,700万人(2023年時点)で、総務省情報通信政策研究所によれば20代の81.6%に利用されています。
参考:「X Corp. Japan 株式会社」への社名変更のお知らせ(X)
参考:令和5年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書<概要>(総務省情報通信政策研究所)
投稿は短文が基本のため、IT業界の最新ニュースや急募の求人情報など、スピード感が求められる話題との相性が抜群です。
転職に関するワンポイントアドバイスのような、手軽で役立つ情報を発信するのにも適しています。
また、コメントや引用リポストを通じてフォロワーと気軽にコミュニケーションが取れるため、候補者との自然な関係構築にも役立つでしょう。
3-2. Instagram
Instagramは、写真や短い動画(リール)といったビジュアルを通じて、直感的にメッセージを届けられるSNSです。
国内ユーザー数は約6,600万人で、10~30代の女性を中心に幅広い層に利用されています。
人材紹介会社が活用する場合、コンサルタントの紹介やオフィスの雰囲気、社内イベントの様子などを見せることで、文章だけでは伝わらない企業の雰囲気や担当者の人柄を伝えられるでしょう。
こうした発信を続けることで、求職者が「この会社なら信頼できそう」「この担当者に相談してみたい」という親近感や安心感を与えられます。
3-3. Facebook
Facebookは実名登録が基本のため、ビジネス上の信頼性が高く、信頼関係の構築に向いているSNSです。
総務省情報通信政策研究所によれば、国内では30〜40代のビジネスパーソンの利用が多く、月間アクティブユーザーは約2,600万人にのぼります。
参考:令和5年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書<概要>(総務省情報通信政策研究所)
このため、人材紹介会社が企業との接点をつくりたい場合や、BtoB向けの発信を強化したい場合に特に効果的です。
例えば、Facebookで「特定業界での採用成功事例」や「人材トレンドに関する考察」を投稿すれば、経営者や人事担当者の目にとまりやすく、実績と専門性を伝えるきっかけになります。
さらに、企業ページを使って社名やロゴ、事業内容、スタッフ紹介などを整えておけば、検索や閲覧を通じて企業としての信頼感を高められます。
情報発信とブランドの基盤を整える場として、求職者・企業の双方に好印象を与えられるのがFacebookの強みです。
3-4. LinkedIn
LinkedInは、キャリアやスキルに特化した世界最大級のビジネスSNSです。
日本では外資系企業やIT業界の専門職、管理職クラスのユーザーが多く、登録者数は2022年8月時点で300万人を超えています。
参考:LinkedIn、日本での登録メンバー数が300万人を突破(PRTIMES)
人材紹介ビジネスでは、ハイクラス人材や特定のスキルを持つ専門職との接点を持つうえで有効です。
候補者の職務経歴やスキルを検索・閲覧できるため、ダイレクトスカウトとの相性もよいでしょう。
また、自社の専門性や業界への知見を発信することで、プロフェッショナルなブランドイメージも確立できます。
特にIT領域や外資系、ハイクラス人材の転職支援を得意とする会社にとっては、優秀な人材と接点を持つために欠かせない媒体です。
3-5. YouTube
YouTubeは、国内で7,120万人(2023年10月時点)が利用する巨大動画プラットフォームです。
参考:YouTube 視聴はより多様に、YouTube の最新動向と利用実態(Think with Google)
総務省情報通信政策研究所によれば、60代でも66.3%が利用しており、幅広い世代にリーチできます。
参考:令和5年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書<概要>(総務省情報通信政策研究所)
視覚と聴覚を組み合わせて情報を伝えられるため、文章や画像だけでは理解しにくい内容も、直感的かつ具体的に伝えることができます。
例えば、転職活動が初めての人に向けて「職務経歴書の書き方」を画面上で実演したり、コンサルタントが「面接対策の考え方」を事例付きで解説したりと、実践的なサポートを動画でわかりやすく届けることが可能です。
こうした形式は、テキストよりも伝わりやすく、視聴者に「この会社は丁寧に教えてくれる」「信頼できそう」と感じてもらいやすくなります。
さらに、YouTubeは一度投稿すれば長期間にわたって検索や関連動画から再生され続けるため、時間が経っても自社の存在や専門性を知ってもらえる接点を持ち続けられるのも強みです。
4. 人材紹介会社がSNS集客を成功させる3つのコツ

SNS集客では、戦略やプラットフォームの選定だけでは成果は上がりません。
フォロワーが増えても、投稿の中身ややり取りの質がともなわなければ、問い合わせや面談にはつながらないのです。
この章では、成果を引き出す具体的なコツを解説します。
4-1. 専門性と信頼性が伝わるコンテンツを作成する
フォロワーの心を掴むためには、「このアカウントは信頼できる」「ほかでは得られない有益な情報をくれる」と感じてもらうことが重要です。
そのためには、自社が持つ採用やキャリアに関するノウハウを惜しみなく共有する姿勢が求められます。
例えば次のようなテーマは、求職者と企業の双方にとって価値の高い情報です。
- IT未経験者でも採用担当の目に留まる職務経歴書の書き方
 - 採用で重視するべきポイント
 - 多くの転職者が見落としている、面接でのNG行動
 
また、業界の最新トレンドや法改正の解説など、専門知識を分かりやすく伝える投稿も信頼につながるでしょう。
4-2. フォロワーと積極的にやり取りする
SNSで成果を出すためには、投稿するだけでなく、フォロワーと積極的にやり取りする姿勢が欠かせません。
情報発信だけでは信頼は生まれず、反応のないアカウントは見られにくくなります。
一方で、コメントやメッセージに丁寧に返信したり、アンケートや質問機能を使ってフォロワーの声を拾ったりすることで、「ちゃんと見てくれている」と感じてもらいやすいでしょう。
例えば、「転職活動で一番悩んでいることは何ですか?」 「面接で聞かれて一番困った質問は何でしたか?」といった問いかけ式を投稿すれば、やりとりが自然と生まれ、フォロワーとの距離も縮まります。
こうしたやりとりが増えると、投稿がより多くの人のタイムラインに表示されやすくなり、アカウントの認知拡大にもつながります。
「反応が増える → 見られる機会が増える → 信頼や興味が高まる → 問い合わせにつながる」という流れをつくることが、集客の成果を高めるポイントです。
4-3. ハッシュタグを活用して認知を広げる
良質な投稿を作っても、見てもらいたい相手に届かなければ集客にはつながりません。
そこで効果を発揮するのがハッシュタグです。
適切なハッシュタグをつければ、自社アカウントを知らない人の目に投稿が届きやすくなります。
内容と一致したキーワードを使うことで、関心の高い層にダイレクトに届けられるでしょう。
また、独自のハッシュタグ(例:「#〇〇エージェントの転職支援」)を作って継続的に使うことで、自社の投稿を検索しやすくしたり、ブランディングの一貫性を持たせたりする効果も期待できます。
ただし、「#仕事」「#転職」など意味が広すぎるタグや、「#いいねください」など内容と関係のないタグは避けた方がよいでしょう。
投稿の質が見えにくくなり、表示されてもスルーされやすくなります。
ハッシュタグを選ぶ際は、ターゲットがどのような言葉で検索しそうかを想像しながら、投稿ごとに最適なタグを組み合わせていくことが大切です。
5. SNS集客の効果測定・改善4ステップ

SNS運用にかけた時間やコストを無駄にしないためには、成果を正しく測り、改善し続けることが欠かせません。
ここでは、SNS集客の効果を測定し、改善する流れを4つのステップで解説します。。
5-1. 【ステップ1】事業への貢献度を測るKPIを定める
SNS集客の効果を正しく測定するためには、「何を基準に成果と判断するのか」を最初に明確にする必要があります。
指標がないまま投稿を続けても、結果の良し悪しが判断できず、改善につなげられません。
そこで重要になるのが、KPI(重要業績評価指標)の設定です。
KPIは、最終的な事業目標であるKGIから逆算して設定します。
例えば、KGIとして「四半期で10社の新規企業クライアントを獲得する」という目標がある場合、それを実現するためのKPIとしては次のような数値が考えられます。
- SNS経由での企業からの問い合わせ件数を月に7件獲得する
 - 掲載した求人ページへのクリック数を月に350回にする
 - SNSアカウントのフォロワーを3ヶ月で1,000人増やす
 
このようにKPI設計することで、「なぜこの数値を追いかけるのか」が社内で共有されやすくなり、日々の投稿や企画の方向性がぶれにくくなります。
また、SNS運用の目的が明確になり、結果も振り返りやすいでしょう。
5-2. 【ステップ2】運用にかかる全てのコストを洗い出す
効果を正しく測るためには、どれだけのコストを投下しているのかも明らかにしなければなりません。
SNSは無料で始められるイメージが強いですが、実際の運用にはさまざまなコストがかかっています。
SNS運用にかかるおもなコストは次のとおりです。
- 担当者の人件費…投稿の企画、作成、分析にかかる全ての作業時間
 - ツールの利用料…投稿管理ツールや分析ツールの月額費用
 - 広告費…SNS広告を出稿する場合の費用
 - 外注費…動画編集やデザインなどを外部に依頼する場合の費用
 
これらを可視化しておかなければ、SNS運用の効果を正しく評価できません。
また、コストの内訳が明確になれば、「この手法は費用がかかるが反応がよい」「この作業は時間の割に効果が薄い」といった分析も可能になり、今後の判断材料として活かせます。
5-3. 【ステップ3】CPAとROIを計算する
SNS集客の効果を判断するためには、「いくらの投資で、どれだけの成果が得られたか」を数値で把握することが欠かせません。
その際に活用すべき代表的な指標が、CPA(顧客獲得単価)とROI(投資利益率)です。
CPAは、1件の成果(例:求職者登録や企業からの問い合わせ)を獲得するためにかかった平均コストを示す指標です。
例えば、月20万円の運用コストで10件の求職者登録があった場合、CPAは「20万円 ÷ 10件=2万円」となります。
一方、ROIは、投資によって得られた利益が、かけたコストに対してどれだけ上回っているかを示す指標です。
例えば、SNS運用に50万円を投資し、そこから得た成約手数料が200万円であれば、「(200万円−50万円)÷ 50万円 × 100=300%」となり、投資額の3倍の利益が出たことを意味します。
こうした数値を明確に算出することで、SNS運用が費用に見合った成果を生んでいるかどうかを客観的に評価できるのです。
さらに、ほかの施策との比較にも役立ち、経営陣や他部門にも説得力のある形で説明できます。
効果が高い施策には予算を集中させ、効率の悪い部分は見直すなど、次のアクションにつなげるための根拠として、CPAとROIの計算は欠かせません。
5-4. 【ステップ4】数値を分析してSNS運用に反映させる
SNS運用で成果を上げるためには、数値を出すだけで満足せず、得られたデータを具体的な改善に落とし込むことが重要です。
分析結果をもとに改善するサイクルを回し続けることで、SNS運用の精度と効率は着実に高まります。
例えば、投稿テーマごとの反応率を比較し、反応がよかった内容は視点や表現を変えてシリーズ化すれば、フォロワーの関心を継続的に引けるでしょう。
また、複数のSNSを運用している場合も、媒体ごとの問い合わせ数や成約率を分析することで、効果の高いプラットフォームに広告予算や投稿の労力を重点的に投下できます。
一方で、「いいね」や閲覧数が多くても問い合わせや応募につながらない投稿は、成果に直結する内容へ方向転換することが求められます。
このように、数字を単なる結果として眺めるのではなく、「次に何をすべきか」を見極める材料として活用することが、SNS集客を継続的に改善・成長させる鍵になるのです。
6. 人材紹介会社がSNS運用でおさえるべき3つの注意点

SNSは強力な集客ツールである一方、使い方を誤ると企業の信頼を大きく損なうリスクもあります。
ここでは、人材紹介会社がおさえるべき3つの注意点を解説します。
6-1. 個人情報や機密情報を適切に取り扱う
SNSでの情報発信において、個人情報や企業の機密情報を公開することにはリスクをともないます。
例えば、転職成功事例を紹介する際に「◯◯業界の30代男性がA社に入社」などと記述した場合、業界の関係者であれば、ほかの情報と照合して本人を特定されることがあります。
このような情報漏洩が発生すれば、プライバシーの侵害や企業の信頼失墜につながるだけでなく、個人情報保護法違反として法的責任を問われる可能性もあるのです。
投稿前に社内でダブルチェックするなど、内容や表現を慎重に検討する体制を整えましょう。
6-2. 炎上リスクを防ぐガイドラインを定める
不適切な投稿が瞬く間に拡散され、企業全体の信用問題に発展する炎上も、SNSのリスクです。
炎上を防ぐためには、誰が運用しても判断基準がブレないよう、社内で明文化されたガイドラインを整備することが大切です。
最低限、次の項目についてはルールを定めておきましょう。
- 使える言葉遣いや表現
 - 政治や宗教など、配慮が必要なトピックの取り扱い方針
 - 炎上が発生した場合の対応フロー
 - 担当者の個人アカウントと企業アカウントの使い分け
 - 担当者が交代する際のID・パスワードや運用ノウハウの引き継ぎ手順
 
特に注意すべきなのは、SNS運用をほかの業務と兼任しているケースです。
業務が多忙な中で片手間に投稿業務を行うと、内容の確認が不十分になりがちで、「これくらい大丈夫だろう」と個人の感覚や経験に頼った判断になりやすくなります。
その結果、投稿の品質やリスク管理にばらつきが生まれ、組織として一貫性のない発信や、見落としによる炎上リスクが高まるのです。
チーム全体でリスクを共有し、ルールに基づいて運用する体制が重要になります。
6-3. 著作権などの関連法規を遵守する
人材紹介会社がSNSを運用するうえで、著作権の取り扱いには特に注意が必要です。
他人が作成した画像や文章、グラフなどを無断で使用した場合、悪意がなかったとしても著作権侵害に該当し、損害賠償などの法的リスクを招く恐れがあります。
特に「他社の求人サイトに掲載されている画像をそのまま自社の投稿に流用してしまった」「有料記事や書籍の内容を要約して投稿した」「フリー素材と記載された画像を、利用規約を確認せずに商用利用してしまった」といったケースが問題になりがちです。
人材紹介ビジネスでは、信頼こそが最大の資産です。
著作権侵害によって訴訟や炎上に発展すれば、企業としての信用を失いかねません。
そのため、著作権に関するルールを定めるだけでなく、すべての担当者が「何を使ってよくて、何は使ってはいけないのか」を具体的に判断できる状態にしておく必要があります。
7. 人材紹介のSNS集客における2つの課題

SNS運用の理論は分かっていても、いざ実践するとなると、多くの担当者が共通の壁にぶつかります。
ここでは、代表的な2つの課題をご紹介します。
7-1. 運用リソースを確保できない
SNS運用でよくある悩みが、「日々の業務が忙しくて、投稿を作成する時間がない」「担当者が自分一人しかおらず、手が回らない」といったリソース不足の問題です。
特に中小の人材紹介会社では、SNS専任の担当者を置くことが難しく、ほかの業務と兼任しているケースが大半でしょう。
その結果、最初は意欲的に投稿していても、数ヶ月経つと更新が途絶えがちになり、せっかくつながったフォロワーの関心も薄れてしまいます。
SNS運用は「継続」してこそ成果が見えるものであり、リソースの確保は避けて通れない課題です。
7-2. コンテンツが尽きる
「最初の1ヶ月は順調だったが、何を発信すればよいか分からなくなった」といったネタ切れも、深刻な課題です。
求人情報や社員紹介といった定番テーマを出し尽くすと投稿内容が単調になり、フォロワーの反応も徐々に鈍くなります。
この状態が長引くと「とにかく投稿しなくては」という焦りから、質の低い情報を発信したり、無理に奇抜な内容を出して炎上のリスクを高めたりと、逆効果を招く恐れがあります。
そのため、SNS運用では常にフォロワーの目線に立ち、新鮮だと感じてもらえる情報を提供し続けることが不可欠です。
8. 人材紹介ビジネスにおけるSNS集客の課題を解決する3つのポイント

SNS運用の課題は、予約投稿ツールの導入や社内の役割分担、外注活用といった具体的な運用体制を整えることで克服できます。
ここでは、SNS運用を無理なく継続し、改善していくための3つの方法を解説します。
8-1. ツールを活用して運用を効率化する
SNS運用の大きな課題であるリソース不足は、予約投稿や分析機能を備えたツールの導入で軽減できます。
代表的なツールを下記にまとめました。
| ツール名 | 特徴 | 
| Buffer | ・シンプルな操作性で初心者向け ・複数のSNSへの予約投稿を一括管理できる  | 
| SocialDog | ・X(旧Twitter)のフォロー管理や高度な予約投稿機能が特徴 ・フォロー状況の管理、キーワード分析、高度な予約投稿など、運用を効率化する機能が豊富  | 
| Hootsuite | ・チームでの分担作業や、投稿前の承認フローを設定可能 ・特定のキーワードを含む投稿を監視する「ソーシャルリスニング」機能を搭載  | 
参考:Buffer
参考:SocialDog
参考:Hootsuite
上記のツールなどを導入することで、限られた人員でも安定した質の運用を維持できます。
なお、料金や機能は変更される可能性があるため、利用前には公式サイトで最新情報を確認してください。
8-2. 完璧を目指さず、続けることを重視する
完璧さを追求する余り更新頻度が落ちないよう、無理なく続けられる仕組みを整えましょう。
例えば、毎回ゼロから内容を考えるのではなく「求人紹介」「キャリア知識」といった投稿の型(テンプレート)を用意しておけば、テーマ探しに時間を取られずに済みます。
また、SNS運用を一人に任せないことも大切です。
「現場のコンサルタントは週に一度、顧客とのエピソードを共有する」「アシスタントはコメントへの返信を担当する」など、チームで協力する体制を作りましょう。
担当者の負担が軽くなるだけでなく、内容のバリエーションも広がります。
更新を続ける仕組みを構築できれば、時間をかけてフォロワーとの関係性も強化でき、集客につながるでしょう。
8-3. 外注を活用してリソース不足を補う
社内だけで運用を回すのが難しい場合は、外部のリソースを適切に活用することも有効です。
SNS運用や動画編集など、専門的スキルが必要な作業は外注に任せれば、社内はコア業務に集中できます。
外注費は発生しますが、質の高い投稿を安定して続けられ、集客成果が期待できる点はメリットです。
ただし、外注する際は、依頼範囲や成果物の基準を明確にし、複数の業者を比較しましょう。
もし、どの外注先が自社に合うか判断が難しいと感じるなら、私たち「Brand Hatch株式会社」にご相談ください。
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9. まとめ
人材紹介会社にとって、SNSは求人広告や転職サイトでは接点を持ちにくい潜在層にリーチでき、広告費を抑えて自社の強みや担当者の姿勢を伝えられる有効なツールです。
ただし、成果を出すためには、ターゲットに合ったSNSを選び、役立つ情報を継続的に発信し、フォロワーとのやり取りを積み重ねることが欠かせません。
また、個人情報や著作権の管理、炎上対策などリスクへの備えも重要です。
リソース不足やネタ切れといった課題は、予約投稿ツールの活用や役割分担、外注によって解決できます。
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