「うちのような中小企業でも、SNSをうまく活用できるだろうか?」
「人手や予算が限られている中で、本当に成果は出るのだろうか?」
このような疑問や不安を抱える経営者や担当者の方は少なくありません。
SNSはもはや一部の大企業だけのものではなく、適切に活用すれば、認知度アップや採用力強化、リピーター獲得まで実現できる強力な武器になります。
ただし、成功のためには自社の状況に合わせた正しい知識と戦略が不可欠です。
本記事では、中小企業がSNS運用を成功させるために知っておきたいメリット、自社に合ったSNSの選び方から具体的な始め方、さらには注意点まで網羅的に解説します。
SNS運用に本気で取り組み、確かな成果を出したい中小企業の経営者・担当者の方は、ぜひ最後までご覧ください。
1. 中小企業がSNSを活用する5つのメリット

「なぜ、今あえてSNSに取り組むべきなの?」と疑問を感じている人もいるでしょう。
ここでは、SNS活用がもたらす特に効果的な5つのメリットを具体的に見ていきましょう。
1-1. 低コストで運用できる
SNSは基本的に無料で登録できるため、従来のマーケティング手法に比べて圧倒的に少ない予算で始められます。
一方で、新聞広告は1回200万円以上、テレビCMも地方局で1本数万円からと高額になりがちで、多くの中小企業にとって現実的な選択肢とはいえないでしょう。
SNSであれば、少額から試して成果を検証し、手応えがあれば予算を増やすといった柔軟な戦略が可能です。
これにより、リスクを最小限に抑えながらマーケティングの効果を最大化できます。
1-2. 潜在顧客との接点を増やせる
SNSは、自社の商品やサービスを知らない人にアプローチする手段として有効です。
総務省の「令和6年通信利用動向調査」によると、日本のインターネット利用者のうち81.9%がSNSを利用しており、いまや主要な情報インフラの一つとなっています。
特に13~49歳までの各年齢階層では利用率が90%を超えており、SNSが世代を問わず広く浸透していることがわかるでしょう。
そのため、例えばInstagramでおしゃれな商品写真を投稿したり、X(旧Twitter)でお得なキャンペーンを案内したりすれば、検索や広告では出会えなかったユーザーにも届く可能性があります。
このように、SNSは「たまたま見かけて気になった」という偶然のきっかけを作れるのです。
1-3. 企業の雰囲気を伝えられる
SNSは、企業の魅力や職場の雰囲気といった、目に見えにくい情報を発信できるツールです。
社内の日常風景や働く人の想いを丁寧に伝えることで、「この会社にはどのような人がいて、どのような雰囲気で仕事をしているのか」といった、企業の温度感が自然と伝わります。
こうした発信が企業への信頼感につながり、長期的な関係構築の土台となるでしょう。
知名度に頼りにくい中小企業が、無名の状態からでも共感や支持を得るチャンスを作れる点も、SNS活用のメリットです。
1-4. ユーザーと直接対話できる
SNSの大きな特徴は、ユーザーと直接つながれる双方向性にあります。
コメント欄やダイレクトメッセージ(DM)を通じて気軽にやり取りすることで、企業への親近感を高められるのです。
また、やり取りの中で寄せられる「ここが使いにくい」「もっとこうしてほしい」といった意見は、ユーザーのニーズを知る手がかりになります。
そうした気づきが、商品やサービスの改善につながることもあるでしょう。
さらに、SNS上で一貫して丁寧な対応を心がければ、企業の誠実な姿勢が伝わり、リピーターやファンの獲得にもつながります。
1-5. 企業ブランドを構築できる
SNSは、ブランドイメージを確立する手段としても有効です。
例えば、投稿のテーマを「業界の最新情報」などに統一し、画像の色合いやデザインをそろえることで、ユーザーに「あの会社は○○の情報に詳しい」「どの投稿も見やすく信頼できる」と感じてもらいやすくなります。
こうした発信を継続すれば、ユーザーから「信頼できる情報源」として認識されるようになり、他社との差別化につながるでしょう。
価格競争に頼らずに選ばれる理由をつくる手段として、SNSは役立つのです。
2. 中小企業が最適なSNSを選ぶ3つのポイント

流行しているという理由だけでSNSを選ぶと、自社の目的やターゲット層と合わず、効果が出にくくなります。
自社の事業に最適なSNSを選ぶために、これからご紹介する3つの視点を軸に検討しましょう。
2-1. SNS運用の目的で選ぶ
自社が達成したい目的をもとにSNSを選びましょう。
SNSにはそれぞれ得意な分野や使われ方があり、発信できる内容や届きやすい相手も異なります。
例えば、認知度を広げたいのか、採用を強化したいのか、あるいは企業イメージを高めたいのかによって、選ぶべきSNSは変わります。
目的に合っていないSNSを選ぶと、期待した反応は得られにくいでしょう。
SNSで何を達成したいのかを明確にし、その目的に最も適したプラットフォームを選ぶことが重要です。
2-2. ターゲット層で選ぶ
自社の商品やサービスを利用する可能性が高い人が、どのSNSを日常的に使っているかを把握することも重要です。
利用者の年齢や属性はSNSごとに異なるため、ターゲット層が少ないSNSを選ぶと、時間や労力が無駄になります。
特に注意すべきなのは「とにかく見られればよい」と考えて複数のSNSに手を広げることです。
狙う層が定まっていなければ投稿内容も散漫になり、結局どの層からも強い反応を得られません。
逆に、ユーザー像を絞り込み、その人たちが多く利用するSNSに集中すれば、発信する内容が明確になり、短期間でも成果をあげやすくなります。
2-3. 自社のリソースで選ぶ
SNSを選ぶときは、自社で無理なく続けられるかどうかも考える必要があります。
動画を主軸とするYouTubeやTikTokは、撮影や編集に時間がかかり、継続的に運用するには専任の担当者や制作スキルが欠かせません。
また、写真重視のInstagramは、スマートフォンで手軽に投稿できるものの、見栄えを整えるために撮影環境や画像加工の工夫が求められます。
一方、テキスト中心のXは短い文章で気軽に投稿できるため、限られた人員でも始めやすいでしょう。
更新が長期間止まると「運営していない会社なのではないか」「情報が古く、信頼できない」と受け取られかねません。
自社の体制で無理なく続けられるSNSを選ぶことが、長期的な成果につながります。
3. 選び方がわかったら!中小企業におすすめのSNS3選

ここでは、費用対効果が高く、特に中小企業に適した3つのSNSについて、その特徴と効果的な使い方をご紹介します。
3-1. X(旧Twitter)
X(旧Twitter)は、短文による気軽な投稿と、リポスト機能による圧倒的な拡散力が特徴です。
新商品のお知らせやキャンペーン情報などを即座に広めたい場合に最適でしょう。
さらに、匿名性の高さから気軽なコメントや質問が集まりやすく、ユーザーとの接点づくりにも有効です。
一方で、情報が流れるスピードが速いため、投稿の鮮度や頻度が問われる側面もあります。
また、炎上リスクも比較的高いため、運用ルールを明確に定めておくことが不可欠です。
3-2. Instagram
Instagramは、写真や動画などで「魅せる」ことに特化したSNSです。
アパレル・飲食・観光・インテリアなど、商品やサービスに視覚的な魅力がある業種と相性がよいのが特徴です。
そのため、Instagramは企業から最も利用されているSNSといわれています。
また、ストーリーズやリールといった機能を活用すれば、日々の出来事や裏側の様子を気軽にシェアでき、フォロワーとの親密な関係を築くことも可能です。
ただし、写真のクオリティや投稿の統一感が求められるため、一定のデザイン力や時間的リソースが必要な点に注意しましょう。
3-3. Facebook
Facebookは、実名登録制であることから信頼性が高く、ビジネス利用に適したSNSとして知られています。
特に、BtoB領域の企業や、地域に根ざしたビジネスにとっては、専門的な情報発信やお知らせの場として有効です。
また、総務省情報通信政策研究所の「令和6年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書(概要)」によると、ユーザーの中心は30〜50代で、特に30代の利用率が39.2%と最も高くなっています。
ビジネスパーソンが多い年代であることから、取引に直結しやすい点も特徴です。
ただし、10代の利用率は13.6%、20代は22.9%と若年層の利用者は少ないため、ターゲットに応じた戦略的な運用が求められるでしょう。
参考:令和6年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書(概要)(総務省情報通信政策研究所)
広告出稿では細かなターゲティングが可能なため、ピンポイントで情報を届けたい企業にも適しています。
4. ゼロから始める!中小企業のSNS運用4ステップ

SNSは、ただアカウントを作るだけでは成果につながりません。
ここでは、運用を成功に導くための4つのステップを解説します。
4-1. 【Step1】運用目的を設定する
SNS運用の第一歩は、目的を明確にすることです。
目的が曖昧なままでは、SNS運用の効果を判断できません。
目的が定まったら、それを実際に測定できる指標を設定しましょう。
この指標をKPI(重要業績評価指標)と呼びます。
目的とKPIの代表的な組み合わせは次の通りです。
- 認知度アップが目的の場合 → インプレッション数・フォロワー増加数・プロフィール閲覧数
 - Web集客・売上アップが目的の場合 → リンククリック数・問い合わせ件数・コンバージョン率
 - 採用強化が目的の場合 → 採用情報ページの閲覧数・SNS経由の応募数
 
例えば「Instagramのフォロワーを半年で500人増やす」といった目標であれば、効果を測定しやすいうえ、チーム全体で共有もしやすいでしょう。
4-2. 【Step2】ターゲットとペルソナを具体化する
次に取り組むべきは、情報を届ける相手を具体化することです。
「30代女性」といった大まかなターゲット像ではなく、より具体的な人物像である「ペルソナ」を設定しましょう。
ペルソナを設定することで、どのような言葉遣いや話題が相手に響くのかが明確になり、一貫性のあるコンテンツ戦略が立てやすくなるでしょう。
例えば「東京都在住の35歳・2児の母で、Instagramで毎日レシピ動画を見ている」といったペルソナを設定すれば、レシピや家事の工夫を紹介する投稿が有効だと判断できます。
ペルソナを作る際には、次のような情報を整理すると役立ちます。
- BtoC企業の場合
- 名前
 - 年齢
 - 職業
 - 年収
 - 家族構成
 - 趣味
 - よく使うSNS
 - 抱えている悩み
 
 - BtoB企業の場合
- 業界
 - 部署
 - 役職
 - 業務内容
 - 情報収集の方法
 - 直面している課題
 
 
これらの要素を設定しておけば、ターゲットが明確になり、内容の一貫性を保ちやすくなります。
4-3. 【Step3】コンテンツの方針を定める
どのような情報を発信するかを決めておくことで、SNS運用を継続しやすくなります。
ユーザーがアカウントをフォローする理由は、その情報が役立つ、または楽しめると感じたときです。
宣伝一辺倒にならないよう、ユーザーに価値のある内容を含めることが欠かせません。
投稿ネタの例としては、次のようなものがあります。
- 社員インタビュー(仕事のやりがい・技術の紹介など)
 - お客様の声や導入事例
 - 業界トレンドや季節に合わせた豆知識
 - 製品・サービスの裏側や製造工程
 - よくある質問のQ&A形式
 
このように、日々の業務の中にもコンテンツのヒントは隠れています。
社内でネタを共有し合える体制があると、継続的な発信がしやすくなるでしょう。
4-4. 【Step4】運用体制とルールを整備する
SNSを始めるときは、運用体制とルールを整えておくことが大切です。
担当者がひとりで抱え込むと更新が途切れやすいため、投稿の企画や制作、内容の確認、コメント対応などを誰が担当するか、あらかじめ決めておきましょう。
ルールについても、投稿頻度や言葉遣いの基準、使ってはいけない表現などを簡単にまとめておくと安心です。
投稿する前に別の人が一度確認する仕組みを用意すれば、誤字や不適切な表現を防げます。
こうした準備をしておけば、いざSNSを始めるときに迷わず動けます。
とはいえ、これらをすべて自社で実行するためには、専門知識や人員の確保が難しいことも事実です。
そのようなお悩みがある場合は、「Brand Hatch株式会社」のSNS運用代行サービスをご検討ください。
SNS運用に関する業務を戦略設計から丸ごと代行し、貴社が本来の事業に集中できる環境を整えます。
無料診断も実施しておりますので、お気軽にご応募ください。

5. これで差がつく!中小企業のSNS活用を成功させる4つのポイント

SNSをただ始めるだけでは、なかなか成果は出ません。
ここでは、SNS運用を成功に導くために、中小企業が特に意識すべき4つのポイントをご紹介します。
5-1. 中の人の顔を見せる
SNSで成果を出すためには、その企業で働く人の存在を感じられる投稿が効果的です。
無機質な広報文よりも、投稿者の人柄や企業の日常が垣間見える内容のほうが親近感を持たれやすいためです。
例えば「今日は◯◯の撮影でバタバタでした!」といった裏話や、「投稿担当の○○です。最近は〜」と語りかける文章は、ユーザーとの距離を一気に縮められます。
さらに、文章だけでなく社員の写真やオフィスの日常風景を取り入れると、会社の雰囲気が自然に伝わるでしょう。
中小企業は、大企業のように知名度や広告費で勝負するのは難しいぶん、社員の人柄や日常を発信し、顔の見える関係性を築くことが大切です。
5-2. コメントやDMに積極的に返信する
SNSで成果を出すには、一方通行の情報発信ではなく、ユーザーと積極的にやり取りを行うことが欠かせません。
寄せられたコメントやDMに丁寧に返信すると、ユーザーは「自分の声が届いた」と感じ、満足度が高まります。
例えば「コメントありがとうございます!」と短く返すだけでも、企業がユーザーを大切にしている姿勢が伝わります。
こうした小さなやり取りを重ねることで、ユーザーが再び投稿を見に来たり、商品やサービスを繰り返し利用したりする動機になるのです。
5-3. ツールを活用する
中小企業がSNS運用を成功させるためには、限られた人員でも効率的に進められる仕組みを整えることも欠かせません。
そのために役立つのが、運用をサポートする各種ツールです。
例えば、「Buffer」や「Hootsuite」などの予約投稿ツールを使えば、複数の投稿をあらかじめ設定でき、毎回手動で投稿する手間を省けます。
また、「Canva」などのデザインツールを利用することで、専門的なスキルがなくても見栄えのよい画像を短時間で作成できます。
こうしたツールを導入することで、担当者の負担が軽減され、少人数でも無理なく運用を続けられる体制を築けるのです。
5-4. 数字を見て改善する
SNSは、投稿して終わりにしてはいけません。
成果を可視化し改善を続けることが、成功につなげるポイントです。
Instagramの「インサイト」など、多くのSNSには無料で使える分析機能が備わっています。
これらの機能で確認できる主な指標は、次の通りです。
- 投稿の表示回数(インプレッション)
 - エンゲージメント(いいね・コメント・保存などの反応)
 - フォロワー数の増減
 - ユーザーの属性(年齢・地域・性別など)
 
例えば、「どのような投稿がよく見られたか」「どの曜日・時間帯に反応がよいか」を定期的に分析し、投稿内容やタイミングを調整することで、より高い効果が期待できます。
この「計画 → 実行 → 分析 → 改善」のサイクルを回し続けることが、SNS運用を継続的に成長させる最大のポイントです。
しかし、「どのような投稿の反応がよいか」「ターゲットに本当に届いているか」といった分析と改善には、専門的なノウハウが欠かせません。
アカウント運用をより戦略的に行いたい場合は、SNS運用をプロに外注することも検討しましょう。

6. 中小企業のSNS活用成功事例3選

ここでは、SNSを活用して実際に成果を上げた中小企業を3社ご紹介します。
自社の状況と照らし合わせながら、参考にできるポイントを見つけてみましょう。
6-1. 【BtoBメーカー】フセハツ工業株式会社

参照:ばねのフセハツ工業(X)
「フセハツ工業株式会社」は、ばねを専門に製造するメーカーです。
Xなどでばねを作る過程の動画を公開し、注目を集めています。
金属の線が機械で正確に曲げられていく様子は、専門知識がなくても「すごい技術だ」と直感的に伝わります。
これは、性能を細かく説明するよりも効果的に、技術力の高さを表現できる方法です。
実際、2025年10月時点で同社のXアカウントのフォロワーは約8万人となっています。
専門的な分野でも見せ方を工夫すれば、多くの人を惹きつけられることを示す好例です。
6-2. 【生活雑貨ブランド】マーナ

「マーナ」は、使いやすくおしゃれなキッチン用品やバス用品などを販売している会社です。
同社の目的は、Instagramでブランドのよいイメージを広め、オンラインストアでの売上を増やすことでした。
そこで「マーナのある暮らし」というテーマのもと、清潔感があって統一感のある写真や動画を投稿しました。
商品をただ見せるのではなく、実際の生活シーンで使っている様子を紹介するなど、見た人が「自分の生活にも取り入れたい」と感じるような工夫が施されています。
閲覧から購入までがスムーズにつながったことで、ブランド認知だけでなく売上向上にも直結する販路となったのです。
6-3. 【温泉宿】ホテル栂の季

鬼怒川温泉の「ホテル栂の季」は、Facebookを通じて宿の日常やスタッフの様子を発信しています。
例えば、気温や天気に触れた朝の挨拶や、研修中のスタッフの姿を紹介する投稿など、宿の雰囲気が伝わる情報を日々届けている点が特徴です。
堅苦しい宣伝ではなく、従業員の姿や取り組みを見せることで、親しみのある宿としての印象を高めているのです。
こうした発信は、宿の雰囲気を伝えるきっかけとなり、予約や問い合わせにも貢献していると考えられます。
7. 中小企業がSNS運用でおさえるべき3つの注意点

SNSには多くのメリットがある一方、適切な知識と準備がなければ企業に深刻なダメージを与えるリスクもあります。
ここでは、運用を始める前に知っておくべき3つの注意点を解説します。
7-1. 炎上
SNSで最も大きなリスクが炎上です。
差別的な表現や事実誤認、不誠実な対応が一気に拡散され、企業の信頼や売上に深刻な影響をおよぼします。
一般社団法人日本リスクコミュニケーション協会によれば、従業員の不適切な投稿で炎上した企業の商品について、消費者の87.6%が「購入を見合わせる・やめる可能性がある」と回答しており、事業継続の根幹も揺るがしかねません。
参考:「従業員の不適切なSNS投稿で炎上した企業の商品、もう買わない」51.4%──RCIJ調査で明らかに(PRTIMES)
炎上を防ぐためには、投稿前に複数人で内容を確認したり、使う言葉の基準を決めたりといったルールを整えることが大切です。
それでも炎上が起きた場合は、投稿を削除するのではなく、状況の正確な把握と社内での迅速な連携を優先してください。
そのうえで、事実に基づいた誠実な謝罪や説明を行うことが、事態を早く収めるための最善策となります。
7-2. アカウントの乗っ取り
企業アカウントが第三者に乗っ取られると、不適切な投稿が勝手に行われたり、お客様の情報が流出したりする危険があります。
これを防ぐためには、二段階認証の設定が欠かせません。
二段階認証とは、通常のパスワード入力に加えて、SMSや認証アプリで送られる確認コードを入力する仕組みです。
これにより、不正にパスワードが知られても第三者がログインするのを防げます。
また、ログイン情報を社内で共有する際も、パスワード管理ツールに記録し、紙や個人メモでの管理は避けましょう。
7-3. 権利侵害
SNSでは、著作権や肖像権といった法的なリスクにも注意が必要です。
よくあるのが、インターネット上で見つけた画像や音楽、他人の投稿を無断で使うケースです。
企業アカウントでの利用は私的利用にはあたらず、原則として権利者の許可が必要になります。
参考:著作権が制限されるのはどんな場合?(公益社団法人著作権情報センター CRIC)
また、社員やお客様が写っている写真も、本人の許可なしに投稿すれば肖像権侵害に該当する可能性があります。
仮に悪意がなくても、損害賠償や信頼低下のリスクは避けられないでしょう。
対策として、次の2点を徹底することが大切です。
- 著作権フリーのものか、自社で制作した素材を使う
 - 人物が写った写真は、必ず本人から掲載許可を明確に取ってから投稿する
 
特に企業としての発信では、「知らなかった」では済まされません。
SNSを運用するうえで、最低限の法的リテラシーを持つことが不可欠です。
8. 中小企業のSNS活用に関するよくある質問

ここでは、SNS活用を検討している中小企業の担当者がよく抱く疑問にお答えします。
8-1. Q. 費用はどれくらい?
SNSは無料で始められる点が魅力ですが、実際には目的に応じていくつかの費用がかかります。
まず避けられないのが人件費です。
投稿の企画や制作、コメント対応などに担当者のリソースを割かなければなりません。
また、運用の負担を減らすためにツールを導入する企業も多く、月数千円から数万円がかかる場合もあるでしょう。
さらに、運用を外部に依頼する場合、フリーランスなら数万円、代理店に任せれば規模によっては数百万円におよびます。
このようにSNS運用には一定の負担がともないますが、まずは少額から試し、成果に応じて投資額を拡大するといった柔軟な運用ができる点は魅力でしょう。
8-2. Q. BtoBの製造業だけど、本当に効果はある?
はい、BtoBの製造業でもSNS運用は有効です。
ただし、BtoCのように商品の購入を直接促すのではなく、企業の強みや信頼性を伝える手段として活用されるケースが多く見られます。
例えば、自社の技術や製品の特徴を分かりやすく発信すれば、業界内での認知向上や商談のきっかけにつながります。
また、最新の取り組みや展示会情報などを既存の取引先に向けて定期的に発信すれば、接点を保ちやすくなり、継続的な関係づくりにも役立つでしょう。
このように、BtoBの製造業でも目的に合った情報を発信することで、社外との信頼関係を広げていくことが可能です。
8-3. Q. 毎日投稿しないと意味がない?
いいえ、必ずしも毎日投稿する必要はありません。
むしろ、無理に毎日投稿しようとすると内容が薄くなり、逆効果になることもあります。
大切なのは投稿の数ではなく、質と継続性です。
例えば週3回など、自社のリソースに合った頻度を決め、そのペースを守る方が効果的です。
一定のリズムで内容のある投稿を続けることで、ユーザーは「この企業は情報をきちんと届けてくれる」と感じ、信頼性も高まりやすくなります。
9. まとめ
SNS運用は、大企業に限らず中小企業にとっても有効です。
知名度が低くても、社内の雰囲気や製品の強みを丁寧に発信することで、認知拡大やお客様との信頼構築につなげられます。
ただし、成果を出すためには、目的の明確化やターゲットの具体化、情報発信の方針決定など、基本のステップを踏むことが不可欠です。
また、炎上や権利侵害といったリスクにも備える必要があり、限られたリソースで成果を出すことは簡単ではありません。
そのような場合は、「Brand Hatch株式会社」の「SNS運用代行サービス」をご検討ください。
記事作成代行Proを運営する「株式会社ブリジア」のSEOノウハウと、最新のAI技術を融合させ、効果的かつ効率的なSNS運用を実現しています。
専門的知見に基づいたデータ分析にも対応しており、運用後の効果測定と改善策の提案までお任せいただけます。
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